化膿性汗腺炎の症状

しこりや痛み、悪臭を伴う膿など、皮膚に様々な病変があらわれ、

再発や悪化を繰り返します。

皮膚にできる結節※1や膿瘍※2、瘻孔※3が典型的な症状で1)、赤い腫れや痛みを伴います。症状が悪化するほど、傷跡(瘢痕)※4が残る可能性があります。

多くは、脇の下や太ももの付け根、生殖器と肛門との間の部分(会陰)、お尻、乳房などに生じます1)。慢性化しやすく、一度発症すると再発や悪化を繰り返すことが特徴です1)

※1 結節(けっせつ)

しこりやこぶのように皮膚が盛り上がった状態。時間が経つと赤く腫れることがあります(炎症性結節)。

※2 膿瘍(のうよう)

皮膚の下に膿がたまるにきびのようなもの。

※3 瘻孔(ろうこう)

皮膚の下にトンネルのような空洞ができた状態。痛みを伴って、膿が排出される状態が続くこともあります(排膿性瘻孔)。

※4 瘢痕(はんこん)

治癒と再発を繰り返すことにより皮膚が厚く硬くなった状態。

※写真の出典:参考文献2,3)

参考文献

1. 化膿性汗腺炎診療の手引き策定委員会:日本皮膚科学会ガイドライン 化膿性汗腺炎診療の手引き2020.日皮会誌. 131(1):1-28,2021.

2. Frew JW, et al.:Ther Adv Chronic Dis. 10:2040622319830646, 2019.

3. Ovadja ZN, et al.:Br J Dermatol. 181:344-349, 2019.

化膿性汗腺炎の発症の仕組み

免疫機能の異常を背景に、毛穴が詰まることで発症すると考えられています。

化膿性汗腺炎のくわしい原因はわかっていませんが、毛穴が何らかの要因で詰まってしまい、炎症を引き起こすことが発症の原因だと考えられています。炎症が悪化すると毛包に膿がたまり、それがやぶれると、さらに炎症が広がり、瘻孔がつくられます1)

化膿性汗腺炎の発症の流れ(毛穴の詰まりから炎症が起こり、膿がたまって瘻孔ができるまで)を示した図

化膿性汗腺炎の炎症には、IL-17AとIL-17Fというサイトカインがかかわっているとされています1)

サイトカインとは、本来、免疫にかかわる細胞が異物から体を防御するため、体内に放出される物質のことです。免疫の異常によりサイトカインが過剰につくられると、化膿性汗腺炎などの様々な病気が生じると考えられます。
IL-17AおよびIL-17Fが増えると、皮膚の炎症を起こし、化膿性汗腺炎の発症や症状の悪化につながると考えられます1)。そのため、化膿性汗腺炎の治療では、患者さんの症状に応じて、増え過ぎたこれらのサイトカインを抑えるはたらきをもつ生物学的製剤が選択されることがあります。

ビンゼレックス電子添文 2025年5月改訂(第7版).

IL-17AとIL-17Fという炎症性サイトカインが皮膚の炎症に関与していることを示した図

参考文献

1) Navarro-Compán V, et al.: Front Immunol. 14:1191782, 2023.

化膿性汗腺炎の治療法

日本において化膿性汗腺炎の治療は大きく外科療法(病変の切除・膿の排出)、外用療法(塗り薬)、内服療法(飲み薬)、生物学的製剤(注射)の4つに分けられます1)。ビンゼレックス®は生物学的製剤に分類されます。

化膿性汗腺炎に対して手術(外科療法)は頻繁に用いられていますが、重症度や症状があらわれている部位、再発の頻度などに応じて、各治療方法を単独もしくは組み合わせて行っていきます1)。 ビンゼレックス®は化膿性汗腺炎に対して使用可能な薬剤です2)

化膿性汗腺炎診療の手引き策定委員会:日本皮膚科学会ガイドライン 化膿性汗腺炎診療の手引き2020.日皮会誌. 131(1):1-28, 2021を参考に作成

外科療法

病変の切開、排膿(膿を排出する)

レーザー治療など

外用療法

抗菌作用のある外用薬

内服療法

抗菌薬

鎮痛薬

生物学的製剤

注射薬

参考文献

1. 化膿性汗腺炎診療の手引き策定委員会:日本皮膚科学会ガイドライン 化膿性汗腺炎診療の手引き2020.日皮会誌. 131(1):1-28, 2021.

2. ビンゼレックス電子添文 2025年5月改訂(第7版).

化膿性汗腺炎を悪化させる可能性のある主な要因1)

化膿性汗腺炎の治療をしている間も、⽇常⽣活の⼼がけで症状の悪化を防げる可能性があります。

生活習慣

  • 喫煙は病状を悪化させる要因と考えられているため、禁煙にチャレンジしましょう。禁煙によりその他の病気も予防できるので、禁煙への取り組みをお勧めします。ご自身での取り組みが困難な場合は禁煙外来に相談しましょう。

  • 過食や栄養不足、睡眠不足は炎症を悪化させる原因になります。バランスの良い食事や睡眠を十分にとり、免疫力を高めることを心がけましょう。

  • 化膿性汗腺炎は肥満と関連していると考えられているため、食生活や運動の習慣を見直し、太りにくい体づくりを心がけましょう。

衛生

  • シャワーなどで清潔に保つことを心がけましょう。ボディソープなどは低刺激性のものなどを使用し、手の平を使って洗うことで刺激を避けられます。

  • 睡眠中に汗をかくことも多いので、寝具などを清潔に保ちましょう。冷暖房を調節することも効果的です。

衣類

  • やわらかく刺激の少ない素材や、 通気性や吸湿性の良い素材を選びましょう。

  • 汗をかいたままの衣服は着用せず、早めに着替えることで刺激を避けられます。

その他

  • 運動は、化膿性汗腺炎の症状が強いときは無理せず、過度な運動は避けましょう。汗を放置すると、皮膚の刺激や細菌の増殖によって症状を悪化させることがあるため、シャワーなどで清潔な状態を保ちましょう。

  • ムダ毛の処理をする場合は、肌への刺激が強いカミソリは使用を控え、電気シェーバーやハサミでカットするなど気をつけるようにしましょう。

参考文献

1. 化膿性汗腺炎診療の手引き策定委員会:日本皮膚科学会ガイドライン 化膿性汗腺炎診療の手引き2020.日皮会誌. 131(1):1-28,2021.

2026年8月作成 / JP-BK-2400586_3