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たいじくせいせきついかんせつえん
体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎)とは

 

ABOUT 体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎)とは

体軸性脊椎関節炎の症状 1, 2)

症状は患者さんによって違い、
大きな個人差があります。

体軸性脊椎関節炎の代表的な症状は、背中や腰、あるいは臀部のこわばりや痛みです。

これらの痛みは朝に強く、安静にしても軽快せず、むしろ運動した方が軽くなるという特徴があります。

また 坐骨神経痛、肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)、かかとの痛み、ふとももの上部外側の骨のでっぱりの痛みなどを訴えるケースもあります。また、体がだるかったり(倦怠感)、疲れ易くなったり(易疲労感 (いひろうかん)、痩せたり、微熱など、軽い全身症状を呈することもあります。

疾患が進行すると、脊椎や四肢の関節などが動きにくくなり、日常生活を送るうえで難しい動作が出てくることもあります。また、脊椎や関節の症状だけでなく、眼のぶどう膜炎や炎症性腸疾患(IBD)、乾癬、心血管障害などの関節以外の症状を併発する場合があるのも特徴です。

症状が現れる場所や進行の速さ、合併症の有無は患者さんごとに異なり、個人差の大きい疾患です。

1) 井上 久 ほか. 強直性脊椎炎 療養の手引き(第3 版). 東京. 日本AS 友の会,2016
2) 日本脊椎関節炎学会・「強直性脊椎炎に代表される脊椎関節炎の疫学調査・診断基準作成と診療ガイドライン策定を目指した大規模多施設研究」班 編. 脊椎関節炎診療の手引き2020. 東京. 診断と治療社, 2020


体軸性脊椎関節炎の種類

大きく2つの疾患が含まれます。

体軸性脊椎関節炎は、強直性脊椎炎とX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の2疾患に分類されます。

体軸性脊椎関節炎は「強直性脊椎炎」と「X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」の2種類に分類されることを示す図

きょうちょくせいせきついえん

強直性脊椎炎

強直性脊椎炎(Ankylosing Spondylitis:AS)は、脊椎や骨盤、四肢の関節に慢性的に炎症が生じる疾患です1)

 

│ 強直性脊椎炎の特徴1, 2)

10代〜20代のうちに発症するケースが多く、基本的には45歳未満で発症するものと考えられています。また、男性に比べて女性では発症が遅く、軽症が多いことも特徴です。

「強直」とは、炎症などの結果、脊椎や四肢の関節の骨と骨がくっついて動かなくなる状態をいいますが、必ずしも脊椎や四肢の関節すべてが固まってしまうわけではありません。

2015年より、厚生労働省の指定難病として承認されており、厚生労働省が示す診断基準を満たした場合には医療費の給付を受けることができます。

 

X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎 2)

X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎は、腰や背中の痛みといった体軸性脊椎関節炎の症状があるものの、強直性脊椎炎の診断項目の1つである「仙腸関節のX線画像基準」を満たさない状態のことをいいます2)

 

│ X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の特徴2)

強直性脊椎炎と同じく基本的には45歳未満で発症するとされていますが、男女比については強直性脊椎炎と異なり、男性よりも女性の患者さんが多い傾向にあります。

X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎は、強直性脊椎炎の前段階、もしくは軽症例と考えられています。そのため、経過観察している患者さんの一部は強直性脊椎炎に進展することもあります。

1) 井上 久 ほか. 強直性脊椎炎 療養の手引き(第3 版). 東京. 日本AS 友の会,2016

2) 日本脊椎関節炎学会・「強直性脊椎炎に代表される脊椎関節炎の疫学調査・診断基準作成と診療ガイドライン策定を目指した大規模多施設研究」班 編. 脊椎関節炎診療の手引き2020. 東京. 診断と治療社, 2020


体軸性脊椎関節炎の発症の仕組み²)

炎症を促進する作用をもつ物質により、
関節の炎症や骨破壊が起こっている

体軸性脊椎関節炎の原因は、いまだはっきりわかっていないのが現状です。ただ、遺伝的な要因と、ストレスや腸内細菌といった環境要因がそれぞれ複雑に関与して発症すると考えられています。

遺伝的な要因と環境要因により、身体の中では免疫の異常が引き起こされます。すると、TNFやIL-17と呼ばれる炎症を促進する作用をもつ物質が過剰に作られ、関節の炎症や骨破壊が起こります。

骨破壊が進行すると、靭帯骨棘(じんたいこつきょく)と呼ばれる“とげ”のようなものができます。さらに進行すると、靭帯骨棘がつながってしまい、脊椎が曲がりにくくなります。

IL-17AやIL-17Fの作用により脊椎の関節で炎症や骨破壊が起こる仕組みのイメージ図

体軸性脊椎関節炎の治療法¹,²)

患者さんの状態に合わせて適切な治療を


体軸性脊椎関節炎の治療は、薬物療法(飲み薬・注射)、理学療法(物理療法・運動療法)、手術療法の3つに大きく分けられます。ビンゼレックス®は薬物療法で用いられる薬のうち、生物学的製剤(注射)に分類されます。
症状の度合いや合併症の有無など、それぞれの患者さんの状態に合わせて各治療法を単独もしくは組み合わせて行います。適切な治療を行うことによって、痛みやこわばりといった症状を改善すること、疾患の進行を抑えることが期待できます。
また、体軸性脊椎関節炎の治療では、患者さんの症状に応じて増えすぎたTNFやIL-17などのサイトカインを抑える生物学的製剤が選択されることがあります。

体軸性脊椎関節炎の主な治療法(薬物療法、理学療法、手術療法)の3種類を示す図

1) 井上 久 ほか. 強直性脊椎炎 療養の手引き(第3 版). 東京. 日本AS 友の会,2016

2) 日本脊椎関節炎学会・「強直性脊椎炎に代表される脊椎関節炎の疫学調査・診断基準作成と診療ガイドライン策定を目指した大規模多施設研究」班 編. 脊椎関節炎診療の手引き2020. 東京. 診断と治療社, 2020


体軸性脊椎関節炎を悪化させる可能性のある主な要因¹)

体軸性脊椎関節炎の治療をしている間も、日常生活の心がけで症状の悪化を防げる可能性があります。

体重増加

脊椎や関節にかかる負担を減らすために、できるだけ体重を増やさないようにしましょう。

喫煙

症状の悪化につながるほか、肺の合併症が起こりやすくなることが考えられます。タバコを吸われる方は禁煙にチャレンジしてみましょう。

悪い姿勢

いつも姿勢に気を配り、背筋をまっすぐに保つよう意識してみましょう。また、長時間同じ姿勢をとらないようにして、できるだけ頻繫に体を動かすことも大切です。

身体の冷え

入浴は、血行を良くして痛みを和らげるほか、筋肉のこわばりを軽減させます。入浴時だけでなく、日頃からできるだけ暖かい環境に身を置き、身体を冷やさないようにしましょう。

偏食

治療のうえで摂取すべき食べ物などはありませんが、ビタミンは不足しないようにするのが良いと考えられています。3食規則正しく、バランスの良い食事を心がけましょう。

参考文献

1) 井上 久 ほか. 強直性脊椎炎 療養の手引き(第3版). 東京. 日本AS友の会,2016

2) 日本脊椎関節炎学会・「強直性脊椎炎に代表される脊椎関節炎の疫学調査・診断基準作成と診療ガイドライン策定を目指した大規模多施設研究」班 編. 脊椎関節炎診療の手引き2020. 東京. 診断と治療社, 2020

2026年8月作成 / JP-BK-2600300_2