HS(化膿性汗腺炎)って何?


HS(化膿性汗腺炎)って何?

HS(化膿性汗腺炎)は毛穴で起こる皮膚の病気で、腫れたり、赤くなったり、膿が出たり、痛みなどの症状がよくみられます。

これらの症状は長く続いたり、一度おさまっても再び起こることもあります。

HSでよくみられる症状(一例)

脇の下のおできがずっと治らない

脇の下のおできがずっと治らない

おしりのおできが繰り返しできる

おしりのおできが繰り返しできる


HSの症状にはどんなものが あって、 進行するとどんな影響があるの?

痛みを伴う赤く腫れあがったおできのような症状がよくみられます。

また治りにくく、再びできたり痕が残ることもあります。

HSでよくみられる 皮膚の症状

 

化膿性汗腺炎(HS)のおできができ進行した状態を示した図
化膿性汗腺炎(HS)の症状で、より広く痕が残った状態を示した図

HSは、そのまま放置すると、皮膚の下に膿がたまっていきます。

さらに進行すると、膿がたまった毛を包む袋(毛包)がやぶれ、痛みや悪臭を生じながらさらに炎症が起こり、皮膚の下に迷路のようなトンネル(瘻孔)ができることもあります。

症状が悪化していくと、症状がずっと続いたり瘢痕が残る可能性があります。

HSの進行過程と、膿瘍・瘻孔・瘢痕などの症状を示した図

画像はCreative Commons CC-BY-NCライセンスの条件下でRef 3より複製

Ovadja ZN, et al.:Br J Dermatol. 181(2):344-349, 2019.


HS(化膿性汗腺炎)が進行すると仕事などの日常生活に影響が出ることがあります。

HSによる日常生活の影響

HSになると、うつ、疲れやすい、仕事ができなくなるなど、日常生活に影響を及ぼすことがあります。
症状が進行して瘢痕(はんこん)などができることで、心理的なダメージにつながる可能性もあります 1)
また、HSは進行すると皮膚癌(有棘細胞癌 ゆうしょくさいぼうがん)になることもあります 2)。皮膚癌にならないためにも、HSは早期発見と治療が重要になります 3)

うつ、疲れやすい

仕事ができなくなる

1) Lee EY, et al.:Can Fam Physician. 63(2):114-120, 2017.

2) Cohen PR, et al.:Clin Dermatol 42(6):585-601, 2024

3) Snyder CL, et al.:Clin Cosmet Investig Dermatol 16:1833-1841, 2023


できやすい場所はあるの?

HS(化膿性汗腺炎)は、脇の下、お尻、太ももの付け根、乳房、生殖器、肛門の周囲などでよくみられます。繰り返しできやすく、痛みを伴うことが多くなっています。

HSのできやすい場所¹,²

 

HSができやすい部位を示す図。脇の下、乳房(女性)、太ももの付け根、外陰部・肛門周囲・お尻などに発症しやすい

1) Sabat R, et al.:Nat Rev Dis Primers. 6(1):18, 2020.

2) Lee EY, et al.:Can Fam Physician. 63(2):114-120,2017.


HSはよくみられる病気なの?

HSは実はあまりよく知られていません。診断されるまで時間がかかる病気です。

海外の報告では、診断されるまでに平均約7年かかるといわれていて 1)、正確に診断されるまでの時間がかかることが問題になっています。診断が遅れることで、症状がどんどん重くなっていく可能性もあります 2)。そのため、重症になる前にできるだけ早めに診断してもらうことが大切です。

1) Saunte DM, et al.:Br J Dermatol. 173(6):1546-1549, 2015

2) Lee EY, et al.:Can Fam Physician. 63(2):114-120,2017.


監修|日本大学医学部 皮膚科学系 皮膚科学分野

主任教授 藤田英樹 先生